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高騰する電気代 まず削減するのは基本料金!/㈱マクロニクス
年間約50万円の削減を実現したコインランドリーも
液化天然ガスなどの資源価格の高騰や、急激な円安を要因とした電気料金の値上がりが続いている。東京電力では2023年春にも法人向けの料金を改定する方針を表明しており、他の電力会社でもこうした動きが予想される。当面の間、厳しい状況が続きそうだ。
コインランドリーにとってもこの問題は大きいが、電気料金の中でも、上記のような情勢に影響される使用料金とは異なり、基本料金に関しては、契約容量によって決まるものであることから、まずは契約容量を見直してコストを削減したいところ。
製造・加工・運送・倉庫・集合住宅・マンション・医療機関・飲食業・介護施設・幼稚園など様々な業種において、契約容量を見直す方法の一つである「ブレーカーの切り替え」を行っている、省電力コンサルタント事業の㈱マクロニクスには、2022年春以降コインランドリーオーナーからの相談件数が急増している。後述の茨城県コインランドリーでは同社に相談し、ブレーカーを切り替えて年間約50万円の電気基本料金を削減した。
多くの人が知らない電力会社との契約内容
マクロニクスによると、「電力会社との新規契約が全て『負荷設備契約』で交わされていることはあまり知られていない」。この契約は分かりやすく言うと、店舗に設置されているすべての洗濯機・乾燥機・エアコンなどの動力設備のモーター容量の合計によって電気基本料金が決まるというもの。
コンビニなど常に機械がフル回転している事業所向きかつ電力会社に有利な契約方法だというが、コインランドリーで一日中休む間もなく機械が回っていることはない。この時点でオーナーは損をしているということになる。
一方、もう一つの契約方法として「主開閉器契約」がある。設置されているブレーカーのサイズによって電流(A=アンペア)をキロワットに換算して電気基本料金が決まるというものだ。ブレーカーのサイズは機械の稼働状況によって決まり、「機械の台数は多いものの同時に稼働することが少ない事業所には最適。コインランドリーもそのパターンで、主開閉器契約に切り替えると基本料金が下がりやすい傾向にある」と同社。どのくらい下がるのかというと、主開閉器契約への切り替えと電子ブレーカー(後述)の設置で最大60%だそうだ。
現地調査は無料で実施
上記を踏まえたうえでマクロニクスでは、まず無料の現地調査を行う。よくある質問として「調査の間、お店は営業できるのか?」と訊かれるとのことだが、「停電はしません(=営業できる)」と同社。
その調査結果を基に電気基本料金がどの程度下がるのかを報告書としてまとめ、オーナーに提出。話がまとまったら、電力会社に主開閉器契約への切り替えの申請も同社が行う。契約変更後、アンペアに最適な自社開発の電子ブレーカー「MNB(マクロニクスブレーカー)」を導入する。これにより主開閉器契約への変更と合わせて基本料金が削減される。
ブレーカーが落ちる心配がないから
「無人営業でも安心」。基本料金の削減だから「効果が分かりやすい」
茨城県でコインランドリー5店舗を展開する合同会社吉(よし)の入江一成社長も電気料金の高騰に頭を悩ませていたオーナーの一人。笠間店、水戸店、ひたちなか店の3店舗にMNBを導入し、年間498,841円の削減に成功した。冒頭のデータが、削減額である。
入江社長は、「(電気代について)基本料金は以前から下げたいと思っていたが、一番の懸念点はブレーカーが落ちないかどうか。無人のお店だから急に落ちてしまったときに対応が難しい場合もある…」と話していたが、マクロニクスによる現地調査で最適なブレーカーを設置してもらうことができた。「月々一定額の削減ができて、導入効果が分かりやすいことも、嬉しい」と感想を述べていた。