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ローコスト高生産工場の作り方
この状況下でこそ実施したい事
昨年12月からはじまったオミクロン株での第6波は、3カ月経っても下がりきらず、ピークの半分ぐらいを推移しています。第6波以前は200万人以下だった感染者数も600万人を超しました。国民のおよそ20人に1人が感染したことになります。重症者率は下がったのですが、感染者数が多いためベッドの使用率は依然高いままです。3月中旬でまん延防止等重点措置は終了しましたが、春休みの人出の結果も懸念されます。
そのようななか、2月の末にロシアがウクライナに侵攻して戦争状態に入りました。西側の諸国は一致してロシアに対して強力な経済封鎖で対抗しました。ロシアは天然ガスと石油の輸出国です。それらに制限が掛かったので、ロシアに対する経済封鎖の影響は、輸出国であるアメリカを除き、ヨーロッパの国々や日本も天然ガスと石油の輸入分が足りなくなり、一気にガスと石油の価格が上がりました。理不尽な戦争は仕掛けた方も、対抗する国々も深刻な影響が出ます。
戦時には強いと言われてきた「円」も、今回は構造的な弱さも露呈して、急速に円安に進みました。115円台だった対ドル為替が125円の水準に下がり、コロナ下から続いている原材料の値上げとあいまって、日本全体が急速に経済的打撃を受けているのです。
円安の効果は輸出中心の大企業はいいでしょうが、電気、ガスなどの基本的な物価が上がるのは、第三次産業には大打撃です。リネンサプライやクリーニング業界でも、高騰する燃料費への影響が数多くみられるようになりました。
燃料費高騰への対応
光熱費は人件費、リネン費、配送費などと並んで、経費の大きな部分を占めます。航空機の燃料チャージ代のような付加が、前回の石油危機のときのようにできればいいのですが、そこまでは企業努力が求められます。この連載でもいつも指摘していますが、工場から廃棄されている熱の再利用を高め、少しでも燃料費を下げる努力をさらに進めなくてはいけません。
洗濯物1トンを処理するのに必要な石油代、ガス代で比較するのですが、一時のようなトン180リットルの高水準は少なくなってきましたが、いまだに100リットルの大台を超えられない工場が多いようです。工場から出ていくところでの、
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