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2018年 全ドラ店舗シリーズ総集編
クリーニング需要はピークを迎えた1992年(平成4年)と比べると半減以下という厳しい状況にある。ここ数年、パートスタッフの人材不足や後継者問題に悩まされ、事業規模の縮小を迫られる業者も目立ち、賃金・資材コストの増による影響で経営を見直す必要がある等、クリーニング業界を取り巻く環境は決して良好なものではない。
そんな中、本紙は今年も全国のクリーニング店を取材し、多くの「前向きに歩みを進めるお店」と出会った。年末恒例の店舗シリーズ総集編として、大手業者の取り組み、特殊品に注力する業者の取り組み、法人業務で売上を伸ばしている業者の取り組みなど、今年掲載したクリーニング業者の取材記事からピックアップしたものを紹介する。
静岡・ホワイトウイングス
価格競争はしない
「売り上げが下がっているところは『何とか上げよう』と、売り上げが上がっているところは『もっと上げよう!』と頑張っているクリーニング店が多いが、ウチは頑張らないのがポリシー」と、びっくりするような話をするのは、静岡県の㈱ホワイトウイングス(本社・静岡市清水区)の中村真治社長(52)。
同社は2008年頃から主力直営ブランドを、薄利多売型から高付加価値型へシフトしようと模索。高価格過ぎると顧客層が限定され過ぎてしまい、会社のメインブランドにはなり得ないため、高級感と利便性の両方を兼ね備えたクリーニング店として現在の主力ブランド「ピュアクリーニング」を誕生させた。
そのピュアクリーニングが徹底しているのは、お客の〝要望を聞く〟こと。じっくり話が聞けるよう、座って接客することを基本としたほどだ。イスや飲み物があっても、待たされると怒る人もいるのでは? そんな疑問に対する中村社長の答えは明快だ。「
待たされても『この店を利用したい』と思ってくれる人が来てくれれば、それでいい」。クリーニングでは多くの店が「誰でも歓迎!」という姿勢だが、ピュアクリーニングが目指すのは万人受けする店ではないのだ。
(2018年1月1日号に掲載)
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