- 最終更新日:
コロナ禍の春シーズン総括
3月14日、全国で最も早く東京でソメイヨシノが開花し、桜前線のスタートとともに動き出した今春の繁忙期。しかし、時同じく、新型コロナウイルスの感染拡大が始まり、衣替えに与えた影響は大きかった。
4月7日、東京をはじめとする一部地域に発出された緊急事態宣言はその後、16日には対象地域が全国へと拡大。不要不急の外出と、接待を伴う飲食店やパチンコ店など様々なサービス業に営業自粛が要請され、「クリーニング支出」に対する消費者のマインドは急速に冷え込んだ。
さらに、大都市圏を中心に感染症予防策としてテレワーク(在宅勤務)を実施する企業が増加。それに伴い、ワイシャツを始めとするビジネスウエアが大幅に減少。冬物と通年の主力アイテム双方の動きが一気に停滞した。
そんな中、本紙はこの春、6回にわたって商況調査を実施してきた。4月に関しては「まだ2月のような感覚」と話すところも多かったが、4月の大型連休中などは、例年レジャーに繰り出す多くの消費者が今年は〝SyayHome〟であったことから、自宅の掃除や整理整頓を行い、冬物衣類や寝具、カーペット、絨毯などをクリーニングに出す動きが目立ち、この期間中、営業していた業者に話を聞くと「忙しかった」と答えるところが多かった。しかし、連休明け以降は、こうした動きが沈静化した。
5月25日に緊急事態宣言は全面的に解除され、国内は少しずつ、経済活動が再開され、この6月については大都市圏以外のクリーニング業者では前年同水準、もしくは10%前後の減少と、3~5月と比べて改善の兆しが多くみられた。一方、大都市圏ではテレワークの定着などを要因として、20~30%減少と答える業者が目立った。
なお、現在もダラダラと冬物が出ているところだが、7月に入ったこともあり、春の商況調査としては今回をもって区切りとさせていただく。
史上初となる緊急事態宣言の発出など、かつてないほど厳しい繁忙期となってしまったが、コロナ禍でも必要とされるモノ・コトを模索する前向きな業者の声も多く聞くことができた。しばらくはコロナとの共生(ウィズコロナ)が必須の情勢で、何をするにも「予防」「衛生」「清潔」がキーワードとなっており、もっとクリーニング業は活躍できるはず。「いつもより洗おう!!」と発信していこう。