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51万tの廃棄衣類を未来のクリーニング需要に繋げ!脱炭素社会への対応

都内2社が古着回収を通じ目指す立ち位置

クリーニング業じゃなきゃどこがやる?

年間51万トン――日本国内で2020年の1年間に廃棄された衣料の量である(環境省:「令和2年度 ファッションと環境に関する調査業務-ファッションと環境」 調査結果より)。

衣料は原材料調達から製造、販売といった一連のサプライチェーンで大量の温室効果ガス排出や水質汚染のコストを伴って生産される。「服1着あたりに換算して、500㎖のペットボトル約255本分、浴槽約11杯分の水消費量」。環境負荷の高さが窺える。さらに処理に関しては51万トンの90%以上が焼却処分や埋め立てされているのが現状だ。

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国民運動では、国民・消費者の行動変容、ライフスタイル変革を促すため、衣食住にわたる国民の将来の暮らしの全体像「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしの10年後」を示している


そんなアパレル業界の課題は、政府が2050年までに目指しているカーボンニュートラルを達成するために、2022年10月に立ち上げた「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」及び官民連携協議会における、具体的なアクションプラン内でも、「若者含めた全世代が働きやすい服装を選べるオフィス服装改革を呼びかけます+業界の皆様と連携し、サステナブルファッションを浸透させます」と、解消に向けて動き出すことがはっきりと示されている。

特筆すべきは、アクションプランの〈第1弾〉の一番目に掲げられていることで、資料内では「本年5月以降に順次展開していく」との記載。本気度が窺え、最優先に対処すべき課題として捉えている――という見方もできる。環境課題の対策・克服である以上、批判も否定もできず、クリーニング業としてどのような形で、脱炭素社会の構築に向けた社会の動きに加わっていけるのかを考えていく必要があると感じる。

まだ当業界の連携方法については示されておらず、今後環境省などを通じた情報取集を進めていきたい意向だが、本紙連載者の高橋憲示氏がかねてより提唱し既に少しずつ広がりを見せ始めている「古着回収」が一つの可能性を秘めていることは間違いない。

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