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タオル増産へ全自動包装機導入

投入からたたみ、包装を自動化

北海道札幌市、旭川市を中心におしぼりレンタル事業を展開する㈱すずらん商事(本社・札幌市、厚川博彦代表取締役社長)では、新事業として力を入れるタオルの効率的な生産に向けて昨年、新たな生産ラインを構築。タオルフォルダーへの投入を自動化する設備のほか、㈱日本シーリング(埼玉県さいたま市)のタオル専用全自動包装機「SS-032」を導入した。

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「品質第一」を社是として、品質にこだわったおしぼりで成長してきた同社が、タオルにおいても効率的に袋詰めし、その衛生的な製品が美容院など客先から喜ばれている。同社工場を訪問し、業務部・小野貴広次長に話を伺った。

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品質重視の生産を行うおしぼり事業

◆おしぼり事業「品質第一」で成長

すずらん商事は、1966年創業。おしぼりレンタル事業で成長し、1973年に旭川支店(現・㈱旭川すずらん)、1992年に千歳支店を開設。1996年には、ダストコントロール事業を開始している。

おしぼり事業は創業以来、品質重視を徹底。通常ラインのほか、厳しい検品とともに1枚1枚重量を計りながら高品質を提供する高級ライン、病院向けの弱酸性おしぼりを生産するラインがある。また、納品用のカゴは毎日専用の機械で洗浄して衛生を確保しており、その高品質と市場に近い生産拠点のメリットを活かし、札幌ではトップシェアを誇る。

2018年には、フェイスタオル・バスタオルの事業をスタートさせている。「当時、インバウンド等の影響により地域のホテルリネン需要が高まり、理美容や温浴施設といった小規模事業所のタオルの受け皿が減ったことから、当社にやってほしいという要望が増えて、展開することになった」と小野次長。

同社では、これまでタオル生産は協力会社に委託していたが昨年7月、本社工場にタオルの仕上げラインを設備し、自社生産を開始した。

◆タオルラインを自動化

新しいタオルラインは今後を見据えた先行投資として大量生産が可能な設備を整えた。

仕上げラインには、タオルフォルダーへの投入を無人化するタオル自動機と品質検査装置付きフォルダーを各3台導入したほか、日本シーリングのタオル専用全自動包装機「SS-032」も1台設備し、投入~たたみ~包装作業を自動化。

小野次長は「人手不足の状況において、新設のラインは人手がかからないような省人省力設備にしようという考えで、タオル投入と包装の自動化を図った」と語る。

全自動包装機「SS-032」は、タオルを投入コンベアにセットしてスタートボタンを押すだけで、脱気・全面シール・カットすべてを自動で行う。バスタオル20枚、フェイスタオル50枚などをセットすると、左右と上部からのプレスで形が整えられ、フィルムに入る。そして、プレスにより空気を抜き、コンパクトな状態でシール、カットされる。

なお、投入コンベアにはセンサーを設けて商品の長さを検知しており、バスタオルは長めにプレス、フェイスタオルは短くプレスするといった品物に合わせた調節を可能にしている。また、圧縮した状態で包装する「脱気機能」は、結束なしでコンテナワゴンに積み重ねても運搬時に荷崩れしないのが特徴。しかも、コンパクトになっているので多くの品物を積むことが可能となり、配送コスト削減にもつながる。

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バスタオルは20枚セット

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フィルムに入り、プレスして脱気

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圧縮した状態でコンパクトに包装

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