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記者の目/「人の情熱」が汚れを落とす
業務用洗剤のメーカーで組織する日本クリーニング用洗剤同業会が創立50周年を迎え、その記念祝賀会の話題を前号のニュースで紹介したが、来賓として出席した(一社)日本リネンサプライ協会の堀井正隆会長(㈱白興代表取締役社長)が乾杯の挨拶を行い、洗剤にちなんだ自身の体験談を語った。
日本リネンサプライ協会も3年前に50周年を迎えており、堀井会長はまず「この50年、洗剤同業会は我々と共に歩んできた同志。日本リネンサプライ協会は今、次の100年に向かって全協会員が研鑽し、さらなるリネンサプライ業の価値向上を目指すという協会の理念をつくり、歩み始めている。これからも、同志として皆さんと一緒に歩んでいきたい」とした。
そして、「最近の私の体験」として、洗剤にちなんだ話を以下のように語った。
「洗濯は、ご存じのとおり「水」「時間」「温度」「洗剤」「機械力」が大事と言われていますが、最近、私が部下から教わったのは、それにも増して「人」が大事であるということです。その部下は、食品工場のユニフォームを担当していて、汚れを落とすという目標のもと日夜、いろいろと洗いについて勉強し、洗剤メーカーの皆様とともに研究開発を行っています。
弊社は3社の洗剤メーカーと取引していますが、そのうちの1社にすごく情熱あふれる担当者がいて、その彼が工場の担当と一体になって研鑽し、一番白く洗い上げている。それを見た時に、やっぱり人が大事なんだと。人の情熱が汚れを落としていくんだ、先ほど挙げた大事な要素の一番に立つのは、「人」であるということに気づかされました」。
リネンサプライやユニフォームレンタルの工場では今、省人省力への自動化が進んでおり、洗いから脱水、乾燥までは、ほぼ人の手を介さないで流れていく。今後は仕上げ工程や洗いの前の仕分けも自動化されようとしている。
その状況では、洗いも一定のプログラムで機械任せとなるが、洗浄のプログラムをつくる段階で、より良い洗いを行うために、先ほどの大事な5つの要素はもちろん、担当する「人の情熱」が重要になるのだろう。
もっと白くしたいという現場の思いが、クリーニングの品質や価値をさらに高めていく。
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