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余録
父が勤続40年ということでお祝いの会を、母・私と妻・妹夫婦の6人で開いた。
実は現在は42年目。40年で会社から表彰もされたというのに黙っていて、贈答品の旅行券が届いたときに判明した。目立つのを嫌う父らしい。
今回は、銀座の割烹料理店を選択。老舗であり、門構えは都会だということを忘れさせるような古民家風。
料理はとても美味しかった。また、日本酒は能登の杜氏で「日本酒の神様」との呼び声高い農口尚彦氏が仕込んだ銘柄もラインナップにあった。さすがにグラス1杯5万円には手が届かなかったが、1500円のものを飲んでみた。かつてない深みのある日本酒だった。
忘れないといえば、最初に渡されたおしぼりのニオイ。酸っぱいニオイがして、手を拭くと手にニオイが移る。「え、なんかすごいね…」と皆で話した。嗅覚というのは人間の五感のうちかなり記憶に直結すると聞いたことがある。たしかに料理は美味しかったが、1週間が経った今日、最も頭に残っているのはおしぼりのニオイである。自店の香りが問題ないか、振り返るきっかけになれば幸いだ。