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虐待防止キャンペーン、協力クリーニング店募集中 オレンジリボンマスクの配布

子ども虐待の実情や原因、対応策、子どもに与える影響などの周知・啓発を通じて「子ども虐待のない社会」の実現を目指す『オレンジリボン運動』を実施している特定非営利活動法人・児童虐待防止全国ネットワークでは、毎年11月を児童虐待防止推進月間として『子ども虐待防止オレンジリボン啓発マスク』配布の協力を全国の企業・個人に呼び掛けています。

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◆オレンジリボン運動

ゼンドラでは、以前からオレンジリボン運動の応援と児童相談所に通告・相談できる全国共通ダイヤル「189(いちはやく)」の普及活動を行っています。マスクやチラシの配布およびポスター掲示など、同運動の周知・啓蒙にご協力をいただき、感謝申し上げます。

「オレンジリボン運動」とは、子ども虐待防止のシンボルマーク・オレンジリボンを広めることで、子ども虐待をなくすことを呼びかける市民運動です。この運動を通して子どもの虐待の現状を伝え、多くの方に虐待問題に関心を持っていただき、市民のネットワークで虐待のない社会を築くことを目指します。

◆オレンジリボン運動の起源とは

2004年、栃木県小山市で3歳と4歳になる二人の兄弟が度重なる暴行を父親の友人から受けていました。その顔を見たコンビニの店長が警察に通報し、一度は保護されながらも、諸機関が適切な措置を取らなかったために再びひどい暴行を受け、橋の上から川に投げ込まれ、幼い命を奪われるという非常に痛ましい事件が起こりました。

2005年、栃木県小山市の「カンガルーOYAMA」という団体が、二度とこのような事件が起こらないようにという願いを込めて、子ども虐待防止を目指してオレンジリボン運動が始まりました。2006年からは児童虐待防止全国ネットワークもオレンジリボンの窓口を担い、全国的に活動を広げようと動きはじめました。

◆児童虐待とは

児童虐待は大きく身体的虐待、心理的虐待、性的虐待、ネグレクト(養育の放棄、拒否)の4つに分けられます。

こども家庭庁は令和4年度の児童相談所による児童虐待相談対応件数を公表しました。件数は21万9170件で、前年度より1万1510件(+5.5%)増え、過去最多を更新しました。

●相談内容(多い順)

・心理的虐待(59.1%)
・身体的虐待(23.6%)
・ネグレクト(16.2%)
・性的虐待(1.1%)

●相談の経路別件数

・警察等11万2965件(全体の51.5%)
・近隣知人2万4174件(11.0%)
・家族親戚1万8436件(8.4%)
・学校1万4987件(6.8%) 

●相談件数が増えた要因

・心理的虐待に係る相談対応件数の増加
・警察等からの通告の増加
・児童虐待防止に対する意識や感度が高まり、関係機関からの通告が増加

◆まずは通告「189」(児童相談所・虐待対応ダイヤル)

「間違いだったらどうしよう?」とためらい、通告をしないという状況から「まずは通告!」という意識変化もこの活動が一端を担っています。

しかし、先述の通り、相談件数が増えたとはいえ、近隣知人からの相談は約1割。家族親戚と学校関係を合わせても26.2%と3割にも達しません。一番気づいている立場の人達でも、通告をためらわれているのがわかります。この活動の認知度をもっと上げて多くの人に知ってもらう必要性を感じます。

◆気づきにくい性的虐待

一番多く相談が寄せられているのは心理的虐待で約6割をしめます。大声や脅しで恐怖を与える、無視や拒否的な態度をとる、きょうだい間の差別、ドメスティック・バイオレンス(DV)を見せるなどがこれに当たります。

件数では少ないように感じるのが性的虐待です。ただ、一番発覚しにくいのがこの虐待です。暴力や脅し、写真や動画を撮られるなど、口止めされ・また本人も言えず、家族も気づかないケースが多く、なかなか表面化しません。本人が虐待と理解できない乳幼児期から発生しているケースもあります。

◆「ヤングケアラー」問題も顕在化!

また、ヤングケアラー問題もあります。これは、家族に(様々な理由で)ケアを要する人がいる場合に、大人が担うはずの責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートを日常的に行っている18歳未満の子どものことです(18歳~30歳の場合は若者ケアラーと呼びます)。

ケアの責任や負担が多く、不適切な(無理がある)内容や、長時間や長期間にわたっていたりすると、支援がない場合、子どもの心身や発達に悪影響を及ぼす危険性が高いといわれています。

ヤングケアラーは、家庭内のデリケートな問題であること、 本人や家族に自覚がない場合もあるといった理由から、顕在化しにくい構造となっている上に、日常的になってしまっている状況も見過ごせません。

世話をしている家族が「いる」場合、「いない」場合に比べて「健康状態がよくない・ あまりよくない」「宿題ができていないことが多い」「学校では一人で過ごすことが多い」では2倍以上高いという報告もあります。家族の状況や子どもの役割や様子だけでなく、子どもの想いや希望もきちんと把握し、 客観的な視点で支援すること、そして周囲の気づきが必要なのは虐待と同じです。

◆虐待が及ぼす影響

虐待はどんなケースでも子どもに大きな傷を負わせます。長引けば長引くほど傷は深く長く影響します。私たちにできることは、普段近所にいるはずの子どもの姿がしばらく見えない、頻繁に悲鳴や泣き声が聞こえる、不衛生な衣服や、サイズが合っていない、季節外れの衣服を着ている、夜間に一人で歩いている、といった地域内の変化を察知したら、ためらわずに通告することです。

安全な地域社会の構築に携わり、オレンジリボンの運動を来店客に広めていくことが子ども虐待のない社会の実現に繋がるのだと信じています。

オレンジリボンマスク配布協力企業を募ります

本運動の趣旨に賛同し、来店したお客様へのマスク配布にご協力いただける企業を10社(先着)募ります。ご提供可能枚数は1社100枚でお申込みを頂き次第、啓発用チラシ・ポスターと合わせて発送し、11月中の配布となります。なお、マスクやチラシ、ポスターの費用はかかりませんが、着払い送料のご負担をお願いします。

申し込みはメールまで。メールのタイトルは「オレンジリボンマスク配布希望」として、本文に社名・担当者名・住所(郵便番号含む)・電話番号の記入をお願いします。

皆様のご協力を心よりお待ちしています。


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