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売上アップスーパーレポート

2017年クリーニング業界の時流予測《前編》

株式会社日本売上アップ研究所 代表取締役

中西正人 (なかにしまさと)

今年も残すところ、あとわずか。来年以降のクリーニング業界の「時流」についてレポートいたします。当社の会員制勉強会でもゲスト講演をしていただいた私の前職、㈱船井総合研究所の元社長 小山政彦氏(昨年の時点で、トランプ勝利の可能性が高いことを明言していた)の最新の時流予測も踏まえてまとめています。

まず初めに、消費税8%増税が内定した3年前に私が書いた「時流予測」に関するレポートをご紹介します。

「『資材費の高騰』『消費税の上昇』『人件費高騰と人材不足』は、これからクリーニング業界を襲う『三重苦』です。この先、対応できない会社の倒産・廃業・売却が増えます。消費増税(=お客様が払う税込クリーニング代金が高くなる)までに店舗リニューアルしなければなりません。『料金が高くなっても、お客様が集まる店を作る』『実質値上げに耐えうる店を作る』ためには、『リニューアル』して店舗・商品の価値を高めておかなければ、客数が下がります。お客様が集まる店舗を作って備えましょう」

いかがでしょうか?このうち「資材費の高騰」は、円高に歯止めがかかったことでいったん難を免れましたが、これも今後の世界情勢次第ではどうなるか分かりません。もしもこれから「資材費の高騰」があったとしたら?「増税による客数低下」「人件費の高騰」「人材不足」で苦しむクリーニング店に「とどめの一撃」となることは容易に想像できます。

どんな環境でも生き残ることができる「強い経営体質」と、「時流に柔軟に適応する姿勢」で対応していきましょう。

それでは、2017年以降の「時流予測」をご覧くださいませ。

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2017年クリーニング業界の時流予測 20のキーワード


01 人件費の高騰は続く

政府は「最低時給を、毎年10円目標に上げてゆく」ということを方針として発表し、パート労働力主体のクリーニング業界は「人件費の高騰」の影響を、もろに受けることとなります。また、マイナンバー導入にともなう「社会保険」への強制的な加入促進は、これまで実施していなかった中小の会社にとって実質、人件費増につながる大きな負担です。

上がった人件費以上の「高い生産性」を生み出せるような体制、仕組みをどうやって作ってゆくのか?がカギとなります。スタッフも経営者も「これまでと同じ仕事」では「実質、赤字を垂れ流している」ということを認識し、対応しなければなりません。スタッフは「時給が上がったこと」を喜ぶのではなく、価値に見合う仕事をしなければ、「スパッ」と職を失うことになる。このことを理解して自分の能力を磨く必要があるのです。

この記事の著者

中西正人 (なかにしまさと)

株式会社日本売上アップ研究所 代表取締役

株式会社 日本売上アップ研究所 代表取締役


クリーニング店とコインランドリー店の「売上アップ」実務サポートに、圧倒的に強い経営コンサルタント。

一貫して「地域一番店」づくりと「価値」を伝えるマーケティングを展開し、クライアント1社ごと1店舗ごとの状況や強みにあわせて、業績を上げる支援を行っている。


立地診断/競合分析/新規出店/店舗改装/商品政策/チラシ・DM・ポスター等販促ツールづくり/幹部育成/接客手法/HPづくり/SNS販促/戦略・戦術構築等を得意としている。


クリーニング店は、平均年商2100万円以上、役員報酬+営業利益で売上の21%以上、2100年まで永続する店舗づくり。


コインランドリー店は、ミリオンショップ(月商100万円以上)で、投資回収5年以内の店舗づくり。が、代名詞。


略歴

1972年、兵庫県生まれ。県立加古川東高校、同志社大学を経て、1994年、船井幸雄率いる経営コンサルティング会社(株)船井総合研究所入社。


同社にて、クリーニング店・活性化チームを創設し、10年間にわたり、チームリーダーを務める。

2011年「クライアント様の売上を、さらに、ローコストで確実にアップさせることができる専門家集団を作ること」を目的として「(株)日本売上アップ研究所」を創業。現在に至る。


2冊の著書『自分でつくる!90日で売上を1.5倍にするマーケティング計画』・『超実践!繁盛『看板』はこうつくる』(同文舘出版)は、大手書籍通販サイトでも絶賛の良書。

海外でも翻訳出版されている。


自社WEBサイト「クリーニング2100倶楽部」では、週に2度、ブログを更新。

定期的に、購読・閲覧している業界関係者も多い。

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