- 最終更新日:
売上アップスーパーレポート
「共進化」と「絶滅」
「共進化」は、発展の原理
異なる存在が、生きるために相互に関係しあう中で、共に進化してゆくこと。
これを「共進化」と言います。生物学の言葉です。
生物の代表例は、花の蜜を吸う虫や鳥の口の形状と、吸われる側=花粉を運んでもらう花の構造。ライオンの爪や牙、狩りの知能と、シマウマの模様、スピード、聴覚。
これらは、共進化の代表例です。このように、利益が一致する場合においても、対立する場合においても、生きてゆくために「共進化」は、起こります。
人間社会でも、共進化が起こります。戦国時代の例を挙げれば、関東甲信越では、武田が強いから、北条、上杉も強くなる(順不同)。南北朝時代、栃木で足利尊氏が勢力拡大するから、群馬の新田義貞もそうする。
近隣に強敵がいると、対抗する周辺国は生きるために強くなるしかないのです。
戦争の兵器開発においても同じ。ある兵器の攻撃を避けるための、防御システムを開発する。すると、そのシステムの弱点を衝いた新たな攻撃兵器が開発される。そうしてどんどん進化してゆくのです。
会社の場合にも起こります。地域の特産品を扱っているわけでもないのに、ある業界のある商品はほとんどがこの地域で作られている。販売方法が似ている。というケースが多く見受けられます。近所の会社を見て、「最近、アイツ、こんなことして、儲かっているらしいな」「アイツができるくらいなら、俺だって、できる」きっと、そう感じて、動いた結果の「共進化」でしょう。
クリーニング店の場合にも「共進化」は起こります。とんでもなく、経営力に優れた会社同士が、戦っている地域が存在します。互いの特長を出し合って、戦いながら進化を重ねてゆくのは、生物の本質ではないでしょうか。
絶滅が起こる理由
「共進化」の影には、「絶滅」した種もあります。進化できず、捕食者に食べ尽くされて、絶滅するパターンが多いのです。
生存の歴史を見れば、最も絶滅しやすいのは「無警戒」の種であるようです。
特に、捕食者がいないエリアで、平和に生きていた種は、そのエリアに捕食者が持ち込まれたり、侵入したりすると、「無警戒」がゆえに、アッと言う間に、絶滅します。
〇史上最大級の鳥・ジャイアントモアは、消化を促進するため「小石を飲み込む」という習性を利用され、人間に焼け石を飲み込まされて、殺され、絶滅に至ります。
〇愛嬌のある飛ばない鳥・ドードーは、孤島で楽しく暮らしていたけれども、人と接触してからわずか200年で絶滅。
〇元々「ペンギン」と呼ばれていたオオウミガラスは、羽毛と脂肪が豊富で狙われているのに極端に警戒心が薄く、ヒトに近づいていった。乱獲で滅亡する。現在の「ペンギン」はオオウミガラスの滅亡後、そっくりな種が南極で発見されたからそう呼ばれているのです。
絶滅の主たる要因が「無警戒」だとすると、副次的要因は「繁殖力」の無さにあります。子供をたくさん産むことができない、あるいは産んでから育つまでに時間がかかる…という種も、絶滅しやすいのです。
この記事は、有料会員限定です
- 有料会員登録すると、全ての限定記事が閲覧できます。
- この記事のみ購入してお読みいただくことも可能です。
- 記事価格: 300円(税込)