最終更新日:

売上アップスーパーレポート

「仕掛け」の数と質が、業績を決める

株式会社日本売上アップ研究所 代表取締役

中西正人 (なかにしまさと)

「仕掛け」の数と質。根本的な見直しを

このように、セールチラシ1枚の内容も「デフレ時代」「コロナ禍時代」そして「スタグフレーション時代」にあわせたものに変え、マッチすれば過去最高の数字を出すことも可能です。▽「チラシが当たらない」→当たる内容になっていない▽「物価高でお客様の生活が苦しい」→それを踏まえた内容にする▽「クリーニング需要が減っている」→だから、どうする?

内容だけでなく、配布のタイミング、方法、1回当たりの枚数、年間の回数等々、これまでの取り組みを、ゼロベースから見直してみてくださいませ。ここ数年間の「スタグフレーション時代」にも、以前と同じような取り組みを続けている、あるいは気づかぬうちに「改悪」 してしまっている=改めてもかえって前よりも悪くしている、という可能性もあります。

前述の畳店様のように、以前と同じことを、精度高く、きっちりとやっているだけでは、志向の変化してきているお客様の心と財布をつかみ、売上を上げてゆくことが難しい時代になっています。自社における「売上を上げるためのマーケティング活動」のすべてを、ゼロベースから、見直す必要が出てきています。

その際、「仕掛けの数」が業績を決める、という鉄則を覚えておいてください。昨年と大きく異なる「仕掛け=お客様への働きかけ」を、最低でも3つ以上実行することが、まず基本戦略です。中身や質よりも、まず昨年よりも「数」を増やすこと自体が、最も大切です。

新規客を増やす「仕掛け」

1)店舗:看板→主要店舗の大規模リニューアル、スタンド看板等の追加を行う

2)店舗:のぼり→内容・サイズの刷新、新たな掲出位置を確保する

3)店舗:ポスター→内容・サイズの刷新、貼り出し位置を適切な場所に

4)店舗:外から見て、店内が明るくキレイに見えるように、店内自体の改装が大事

5)チラシ:メインタイトルの変更。内容、枚数、回数、配布方法も変更する

6)ホームページ:チラシよりも新規集客が多い媒体。検索で上位表示されるようSEO対策。内容の根本的改善を行う

7)GoogleMap:オーナー登録を行い、説明文や写真を入れる。レビューの口コミを集めるキャンペーン告知を行う

8)SNS:インスタ、X、TikTok、YouTube…若い年代層への発信。若い層は検索自体これらの媒体で行うようになっている。そこにコミュニティを作るイメージで行う

9)新業態:コインランドリー併設店舗、ネット通販、異業種進出等を行う

10)新店舗:新しい儲かる店舗を作る。地域一番店となれる店舗以外は不可

11)新商品・新サービス:スニーカー、着物・革、集配、衣類リフォーム、予約システム、保管サービス、営業時間、定休日(延長や24時間化)等の取り組み

12)マス系メディア広告:テレビCM、ラジオCM、野立て広告、ネット広告、駅広告、通販番組、パブリシテ(報道してもらう)依頼等を行う

13)新聞・雑誌広告:記事あるいは記事風の紙面。対談など企画する

14)訪問営業:老人ホーム、宿泊施設、レストラン、企業団体等への営業を行う

15)サンプル・ノベルティ:無料配布することにより効果的

16)展示会・イベント:人の集まる場所への出展、説明会。人を集める企画を行う

17)名刺カード:名刺、会員証、従業員証での割引等、カードを販促物化し配布する

18)口コミ・紹介:制度を導入、書き込みの促進を行う

19)企業の社会的責任(CSR):第三者認定、環境対策、子育て支援、地域貢献等のPR

20)営業車ペイント:配送、営業車両を走る広告塔とする

リピーターを増やす「仕掛け」

21)カタログ・パンフレット:初回ご利用時に配布する自社の案内。あると信用につながる

22)会員証:ポイント制、帰属意識の高まる内容に改善する

23)アプリ会員:会員証、レシート、販促クーポンを一元管理

24)ライン会員:利用金額の高騰がネックだが、(23)よりも販促効果が圧倒的に高い

25)ダイレクトメール:発送費用の値上り。内容の見直し、配布対象の絞り込みを行う

26)割引クーポン:顧客ランクに応じた手配り配布、トークとセットで効果倍増する

27)上得意向け優遇:年間利用金額上位顧客への優遇策、御礼訪問、各種特典進呈

28)接客:研修の実施、レベルに応じた内容改編、継続開催、所作、会話、検品方法の改善。チームワーク向上への取り組み

29)電話フォロー:Cメール配信を含む、電話による来店促進

30)新規客向け特典:「初回のみ利用客」を完全になくすにはどうするか

31)お客様アンケート:満足度調査を行い、社内の改善、社外へのPRに活用する

32)覆面チェックによる品質向上:接客、商品品質の第三者比較調査により品質を高める

33)離反客向け手紙:一定期間ご利用のないお客様への手書きメッセージの導入、内容改善

34)プリペイドカード:先払いしてもらうことにより囲い込みを行う。仕組み、運用の改善

客単価を増やす「仕掛け」

35)高単価品の販売:布団、毛布、冬物重衣料等の販売が、全体単価の上昇に効果的

36)オプション品の販売:付加価値品のトッピング販売。自動的にスムーズに流れるように

37)高級コース:コース料金の設定と販売。ブランド品専門コースの設定を行う

38)料金値上げ:以前の連載でもお伝え済みの内容。ご参照くださいませ

39)割引率変更:セール時の割引を少なくすることで、単価の見直しを図る

40)セット販売・まとめて割引:点数を拡大するための企画を行う

41)グッズ販売:洗剤、しみ抜き剤、防虫セット等、関連商材の販売

42)季節品・重点販売:年間、及びその時期に販売比率の上がる商品を集中販売する



この記事は、有料会員限定です

  • 有料会員登録すると、全ての限定記事が閲覧できます。
  • 1
  • 2

この記事の著者

中西正人 (なかにしまさと)

株式会社日本売上アップ研究所 代表取締役

株式会社 日本売上アップ研究所 代表取締役


クリーニング店とコインランドリー店の「売上アップ」実務サポートに、圧倒的に強い経営コンサルタント。

一貫して「地域一番店」づくりと「価値」を伝えるマーケティングを展開し、クライアント1社ごと1店舗ごとの状況や強みにあわせて、業績を上げる支援を行っている。


立地診断/競合分析/新規出店/店舗改装/商品政策/チラシ・DM・ポスター等販促ツールづくり/幹部育成/接客手法/HPづくり/SNS販促/戦略・戦術構築等を得意としている。


クリーニング店は、平均年商2100万円以上、役員報酬+営業利益で売上の21%以上、2100年まで永続する店舗づくり。


コインランドリー店は、ミリオンショップ(月商100万円以上)で、投資回収5年以内の店舗づくり。が、代名詞。


略歴

1972年、兵庫県生まれ。県立加古川東高校、同志社大学を経て、1994年、船井幸雄率いる経営コンサルティング会社(株)船井総合研究所入社。


同社にて、クリーニング店・活性化チームを創設し、10年間にわたり、チームリーダーを務める。

2011年「クライアント様の売上を、さらに、ローコストで確実にアップさせることができる専門家集団を作ること」を目的として「(株)日本売上アップ研究所」を創業。現在に至る。


2冊の著書『自分でつくる!90日で売上を1.5倍にするマーケティング計画』・『超実践!繁盛『看板』はこうつくる』(同文舘出版)は、大手書籍通販サイトでも絶賛の良書。

海外でも翻訳出版されている。


自社WEBサイト「クリーニング2100倶楽部」では、週に2度、ブログを更新。

定期的に、購読・閲覧している業界関係者も多い。

関連記事