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売り込み不要! お客から求められるナノブランド的クリーニング経営

クリーニング業は衣類循環業へ進化する

NANOBRAND合同会社

高橋憲示 (たかはしけんじ)

コロナ禍で淘汰される業界?

2020年以降のクリーニング・リサイクル業界の動向についてのレポートによると、コロナ禍で最も廃業を強いられた業界はクリーニング業界となっています。

一方で、リサイクル業界は大きく成長しています。この背景には、テレワークや洗えるスーツ・ノンアイロンシャツの普及、そして宅配クリーニングの人気により、クリーニングの利用頻度が減少していることが挙げられています。

一方、コインランドリーの利用回数は増加しており、これには、ネット上で利用状況を確認するサービスや終了時刻が近づくとメールで通知するサービスなど利便性の向上が背景にあります。したがって、クリーニング・リサイクル業界は今後さらなる変革や進化が求められています。

社会的に重要な役割になるクリーニング店

衣類循環において、クリーニング店は重要な役割を果たしています。

まず、高品質なクリーニングサービスを提供することで、衣服の寿命を延ばし、再利用する機会を増やします。クリーニング店では、洗濯機やドライヤーでは落とせないシミや汚れを専門機器で取り除くことができるため、長く愛用することができます。

また、クリーニング店でのリサイクルや再利用に配慮したサービスも増えています。例えば、ハンガーやプラスチックの袋の回収サービスや、使用済みの衣類をリサイクルするサービスなどがあります。これらのサービスを利用することで、衣料品の廃棄量を減らし、サステナビリティを実現することができます。

衣類循環業の3つのポイント

以上の事象からクリーニング店の衣類循環における今後の傾向としては、以下の3つのポイントが挙げられます。

1、 サステナブル(持続可能な)ファッションの普及

消費者の意識が変化し、環境負荷を軽減することを重視する「サステナブルファッション」(持続可能なファッション)が注目されています。衣料品を長く愛用するために、品質の高い衣料品を選ぶ傾向が強まることが予想されます。また、再使用やリサイクルに配慮したサービスも普及していくと考えられます。

2、 衣料品レンタルサービスの拡大

一部の消費者が、1度きりの使用に留まるために、衣料品レンタルサービスを利用することが増えています。用途に応じて必要な衣料品を手軽に借りることができるため、マイナスな環境影響を抑えることができます。

3、 クリーニング店の活用

クリーニング店が環境負荷を軽減する重要な役割を果たすことが期待されています。クリーニング店では、使用可能な状態の衣料品を繰り返しクリーニングすることで、廃棄を減らし、持続可能なファッションを実現することが可能です。また、クリーニング店がリサイクルや再使用を促進するためのシステムを整備することで、まちぐるみで環境負荷を低減することができます。

更に、衣料品の保管や修繕の面でもクリーニング店は重要な役割を担っています。衣服の破れやほつれを修繕することで、再利用する機会を増やすことができます。また、シーズンオフの衣料品の保管もクリーニング店に依頼することで、劣化を防ぎ長期的に保存することができます。

以上から、クリーニング店には、衣類循環における大切な役割があることが分かります。消費者も、クリーニング店のサステナブルな取り組みに注目し、積極的に利用することで、地球環境に配慮したサステナビリティの実現に貢献することができ、そのような仕組みを全国で拡げていくことでクリーニング店はまちの中で必要とされる欠かせない事業者となってゆきます。

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この記事の著者

高橋憲示 (たかはしけんじ)

NANOBRAND合同会社

NANOBRAND.LLC CEO

創業より10年で3000社の経営指導を実施。

本社のSANJOBASEに年間にのべ1万人が来場するコミュニティを有し、行政・団体からの視察依頼を受け入れしている。

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