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ドンブリ勘定は危険です!
「会計」を学ぼう
今回から新しく、お金にまつわるお話や、会社やお店の中をお金がどう流れているのかについて、色々とお話をさせて頂きます。どうか、よろしくお願い致します。
ところで、タイトルに付けた「ドンブリ」とは、牛丼やカツ丼に使われるご飯を入れる器ではなく、商人の前掛けについている、大きなポケットのことを指します。
売上であろうが何であろうが、入ってきたお金は全部そのドンブリ(ポケット)の中に入れてしまう。支払いの時には、ごちゃ混ぜになったお金を、ドンブリから無造作に取り出し、現金で勘定する。この会計方法をドンブリ勘定といいます。売上であろうが、借入金であろうが、預かり金である消費税のお金であろうが、手にしたお金はすべて収入として考える。一方、材料代も、借入返済金も、支払い消費税も、生活費も、出ていくお金はすべて支出と考える。なんとも粗っぽい会計方法です。
ひと昔前なら、こんな大雑把で好い加減な収支の考え方でも、あまり問題視されませんでした。もっとも、今に至ってもクリーニング業界では、ほとんど問題視されていません。それは取りも直さず、ちゃんと金が回っていて、商売を続けられるからです。これまでは、競争もそう激しくありませんでした。景気もよく、経済は右肩上がり。銀行や国金(現・日本政策金融公庫)も簡単にお金を貸してくれます。よしんば支払いに困っても、取引業者の方々は支払いを待ってもくれました。
つまり、あまり難しいことを考えなくても、知らなくても経営が成り立っていたのです。だからこそ、お金の区別や収支のバランスを考えることなく過ごしてこられたのです。
しかし、今はもうそんな時代ではなくなりました。景気は、一部の都市では回復の兆しは見受けられるものの、多くのところではまだまだ低迷を続けています。金融機関も、そう簡単に融資には応じてくれません。取引業者の方々も、その多くは疲弊しており、支払いの遅延には難しい顔を見せます。ですから、これまでのようにお金の流れや、お金の構造を考えることなく経営を続けていくことは、難しい時代になったのです。
これからは、感覚や勘に頼った判断や、過去の体験に基づく判断で経営を行うのではなく、お金の収支構造を良く知ること。そして経済活動の全体を把握することです。そうすれば、問題やリスクがどこにあるのかが分かり、目標の設定や将来の展望に繋げることができます。そこに必要なのが「会計」です。なぜなら、「会計」とは、お店や会社のお金の流れを表したものだからです。
しかし、難しく考える必要は一切ありません。「会計」の構造は、いたってシンプル。「経営は会計にあり!」を、詳しく、そして分かりやすくお伝えしていきます。
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