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ドンブリ勘定は危険です!
数字を管理することの意義
早速計算してみましょう。最低賃金を950円とします。1時間は3,600秒ですから、1秒では時間給26・4銭。10秒ですから2.64円。つまり、1点につき2.64円ずつ利益が少なくなっていくのです。
1日平均100点のパンツ処理とすると、2.64円×100点で264円です。1ヶ月25日の稼働で6,600円。1年では7万9,200円の営業利益が吹き飛ぶことになります。
営業利益といわれても、ピンとこないかもしれませんので、売上高に換算してみましょう。
クリーニング業の平均的な営業利益率は、多く見積もっても4%ぐらいです。とすれば、7万9,200円の営業利益は198万円の売上高に相当します。
逆に考えると、売上高を年間198万円増やすには、パンツの処理スピードを10秒短縮させればいいのです。10秒ぐらいなら、セットの仕方を工夫さえすれば何とかなる時間です。
これほど効果のある販売促進策が他にあるでしょうか。その上これは、別にパンツの処理に限ったことではありません。全てのアイテムの処理スピードが、10秒余分にかかったとしましょう。パンツの処理点数が100点なら、全体では1日約500点の入荷が見込めます。2.64円×500点で、1,320円。1ヶ月で3万3,000円です。1年では39万6,000円の営業利益が無くなることを意味しています。
これは決して売上高の金額ではありません。営業利益の金額です。この無くなった金額を、先ほどの営業利益率4%で売上高に換算すれば、なんと!990万円に相当するではありませんか。年間約1000万円!
たかが10秒ですが、されど10秒と分かって頂けるでしょうか。もちろん、これらの数字を管理し続けることで、改善したところが維持できているのか、改善策の持続状況も確認できることはいうまでもありません。
数字を管理する(カウントする)ことの意義とは、現状を把握することで問題点を見つけ出す。そして方法を考え、改善する。最後は、改善したことを維持、継続させていく。数字はその為に必要だということです。